INTRODUCTION0からわかる、タカギ

Prologue

世の中がまだプラスチック製品の黎明期だった1961年、
九州で初となるプラスチック射出成型用精密金型を作る会社
(当時の社名:髙城精機製作所)としてスタートしました。
車庫を改造した工場からはじまった小さな会社は、オイルショックなど時代の波を乗り越え、
1979年に現在の株式会社タカギとして生まれ変わりました。

時代は高度経済成長期の真っただ中。
日本国内では、東海道新幹線や高速道路の開業が始まり、北九州地域は四大工業地帯の一つとして、
日本の近代化・高度経済成長化のけん引役を担う”ものづくり”が盛んな地域でした。

モノづくりの原点、金型事業

創業者である髙城寿雄は、23歳で髙城精機製作所を設立。
洗剤のプラスチック容器の金型を依頼されたことをきっかけに、当時まだ九州には無かった金型事業を始めました。

「金型を作るということは、
発明の試作ができるということ」。

そう考えた髙城は、弟を東京の金型工場に送り込み、
さらに金型の職人を口説き落とし、社員を増やしていきました。

創業当時の事業
モノづくりの原点 金型製造事業

下請けからメーカーへ

当時は「下請け」として発注先であるメーカーから依頼された製品の金型を製作する日々が続いていました。
しかし、発注先の経営状況に左右されずに、安定的に経営を続けるために、「メーカー」へ転身することを決意。

主力事業を、金型製造事業から家庭用品の製造・販売業に切り替えました。

メーカーにシフト後、最初のヒット商品となったのが、
ポリタンクから石油ストーブへ給油する際に使用する「ポリカンポンプ」でした。

ポリカンポンプ

当時、主流のポンプは100円程度、ポリカンポンプは1,980円と約20倍の値段だったため、
当初は小売店からまったく相手にされませんでした。
ただ、髙城には「付加価値があれば高値でも売れる」という確信があり、
全国のホームセンターで髙城自ら実演販売をしたところ、ポリカンポンプは飛ぶように売れ、
発売の数年後には年間20万本の販売に達しました。

「アイディアさえあれば、下請けからメーカーに変われる。」

生活における不便を解消する視点は、その後数々の製品開発に生かされ、
高精度な金型の製作技術とノウハウが、タカギのスピーディで柔軟なものづくりを支えています。

高度経済成長を背景に、庭付き一戸建て住宅が全国で急増。
そういった背景の中、髙城は
「水がなかったら人間は生きていけない。水に関わる商品は必ずお客様に選んでいただける。」
という思いのもと、水廻り商品の開発に乗り出します。

「庭」

ポリカンポンプの誕生時から大切にしている
「生活における不便を解消する視点」を第一に製品開発を進める中で、
ある社員の声が散水用品の開発を大きく動かします。

使用用途に応じて水の勢いや形を変えることが出来たらいいのに・・・

当時のノズルは水の切り替えが出来なかったため、
「1つのノズルで水の出方が変われば、多目的に使うことが出来て便利では?」というアイディアにより、
散水事業の原点である「ノズルファイブ」が生まれました。

発売一年で年間10万本の販売実績となり、瞬く間にタカギの看板商品となりました。

ノズルファイブ

世の中にない
”暮らし”の実現

ノズルファイブを発売したころ、現代とは違いシャワーは未だ一般家庭に普及していませんでした。
また、シャワーがあったとしても、浴槽の使用済みの湯を組み上げる型式がほとんどであり、清潔感に欠けるイメージがありました。

「家でもきれいなお湯でシャワーが浴びられるようにしたい」

国民の美容意識が少しずつ変わっていく中で、
ボイラーから沸かしたきれいなお湯を直接浴びることが出来る「省エネシャワー」を開発しました。
シャワーのついていないお風呂でもシャワーを使うことができ、大ヒット商品となりました。

省エネシャワー

浄水器事業への挑戦

人々が飲料水の質に注目するようになった1991年。
ホームセンターで人気だった浄水器の分野にタカギは参入しました。
浄水や原水、シャワー・ストレートの切り替えを容易にし、水の流量ができるだけ多くなる
商品を開発するなど、後発メーカーでありながらも、今までの事業で培った
開発力を武器に新しい市場でも存在感を示していきました。

浄水器

一定の販売実績にはつながりましたが、今までの製品と違い後発で市場に参入した影響もあり、
なかなか他社との大きな違いを打ち出せずにいた日々が続きました・・・。

そんな時に、ひとりのお客様の声がタカギを大きく動かします。

蛇口と浄水器が一つになったらいいのにね。

お客様の声をきっかけに、蛇口一体型浄水器の開発を決意。
タカギとしても初めての挑戦であることから、今までの常識にとらわれない姿勢を大切にするために、
入社2年目のエンジニアに開発を任せました。

開発には、様々な課題がありました。

「浄水器が入っていないようなデザイン」「浄水カートリッジの小型化と浄水性能の両立」「浄水と水道水の切り替えのしやすさ」

試行錯誤を重ねる中で、機能的なフィルターの開発や切り替えスイッチを開発し、
構想から14ヶ月後の1999年に、業界初の「蛇口一体型浄水器」が誕生しました。
これがディベロッパーやハウスメーカーなどの取引先、実際に製品をご利用いただくお客様の間で評判となり、
住宅設備の一つとして指名いただくようになりました。
今では国内の新築分譲マンションの多くに採用されています。

蛇口一体型浄水器

蛇口一体型浄水器の開発は、タカギのビジネスモデルを大きく変えました。
それまでは常に新しい商品を生み出し続けることで収益を確保していましたが、
蛇口一体型浄水器のシェアを伸ばすことで、カートリッジ販売やアフターメンテナンスの領域で
安定した収益を確保することに繋がりました。

カートリッジ契約件数
最近の製品

小さな金型工場から始まったタカギの事業は、数々の困難を乗り越えながら
「お客様の便利を追求したい」という想いを実現し、進化を遂げてきました。

「世の中に無いものを実現する」という想いが、
「世の中に無い暮らしの実現」へとつながりました。

人々の暮らしに潤いを与え、社会の発展につながる活動を、これからも続けていきます。